「奈美と結婚しても、ダウン症の弟くんの面倒を見る自信がない」
高校生の時、付き合っていた彼氏が言った。ショックだったのは。明るかった彼の、思いつめたような表情でも。とつぜん切り出された、将来の話でも。障害のある弟を、否定されたことでもなかった。
疲れていた。泥のように疲れていた。締め切りが迫った原稿を、ギリギリまで書き終え、気づけば朝すらも通り過ぎ、昼になっていた。
Read More小さな頃から、スケールがでっけぇものに、ただならぬ興味がある。興味っつーか、もはや、恐れがある。東京ドーム。富士山。シロナガスクジラ。コストコのピザ。今、この瞬間。私の目の前に座っていた前澤友作さんも。
Read Moreなんかもう、ここんとこ岸田家、盆と正月が一緒に来たような大騒ぎ。実家に帰ったら、父の仏壇にいつも供えられてる、ぼんち株式会社のぼんちあげ(155円)が、播磨屋本店の朝日あげ(500円)になってた。
Read More2016年11月。土埃と魚醤の匂いがするミャンマーの市場で。私は立ち尽くしていた。
Read More私の父、浩二。岸田家の信長と言っても、過言ではない。信長は兵に、火縄銃を与えた。父は私に、火縄銃に匹敵するブツを与えた。
Read More高校から帰ったら、母が大騒ぎしていた。なんだなんだ、一体どうした。「良太が万引きしたかも」良太とは、私の3歳下の弟だ。
Read More「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」大好きな母に、私が放った言葉です。高校2年生の時でした。
Read More2016年、3月。私は密室で、櫻井翔さんと対面していました。30分間も。無言で。
Read Moreわりと、こだわりの強いタイプだ。でも、これだけは決めている。モテる女のアドバイスにだけは、一切のプライドをかなぐり捨て、従うことを。
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