『彼がいる場所』
 

約束を結ぶ人だけに見えているものがある。
親戚のなかで一番優しかったおじさんと、一番怖かったおばさんの話。

岸田奈美・短編小説シリーズ第一作、電子版限定刊行!
2025年3月、SNS告知から15万人がアクセスした話題作が、ついに電子化。

【あらすじ】
 ユヅルおじさんは、わたしの親戚の中で、いちばん優しい人だった。頼まれたら、断れない人でもあった。
 小学生のわたしが思いつきで「ハムスターが欲しい」とお願いしたことで、月に一度、おじさん宅へ通うことに……。そこには、たいがい機嫌の悪い透子さんがいた。

透子さんは、どうして私がこんなことをとでも言いたいような完ぺきな仏頂面で、毎日毎日、ハムスターの肥満防止としてはあまりに贅沢な鳴門金時を潰していた。
 ハムスターは平均寿命といわれる2年を超えても、なぜか元気に生き続けていた──。

【読者から感動の声、続々!】
「冷たそうに見える人が本当は優しい人。そんな人間の奥行きを感じた。」
「お互いの優しさや思いやりを押し付けるのではない、深いところにある人の優しさが胸に残った。」
「分かりやすい優しさも、わかりにくい優しさも、どちらも尊いことが伝わる。」

数々のエッセイを発表し、明るいユーモアと愛をもってどんな出来事も描き切ってきた岸田奈美だからこそ書ける家族小説。

2025/08/25 電子書籍刊行(コルク)

 

 
『春山家サミット』
 

バラバラだった家族が、久しぶりに集まったら——?
ラジオドラマとして話題を呼んだ本作の脚本が、ついに電子書籍化!

【あらすじ】

東京のイベント会社で働く春山笑麻。
母・聖子と祖母・みやは大阪、父・凛太郎は名古屋で起業、弟・春彦は福岡の大学へ。
春山家の家族は、いまや全国に散らばり、それぞれの人生を歩んでいる。

そんなある日、恋人・光一の"理想的な家族"に触れた笑麻は、
自分の家族とのギャップにに胸が締めつけられる。

「なんとかせなあかん。せめて、普通の家族にはなりたい。光一の家族に見せても、恥ずかしくないような。」

そう思った彼女は、家族全員を集めた旅行——名付けて"春山家サミット"を企画するのだが…

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の岸田奈美が贈る、令和のホームコメディ。

2025/03/31 電子書籍刊行(コルク)

 

 
『最高にテキトーで幸福なカフェ~岸田奈美のパリ旅行記~』
 

「あっちにポリスメンがおるから、道、聞いてみようや!」

聞いてみた。
なんか、フランス語で同僚と、喋ってる。(省略)

車、とめた。

びっくりしすぎて、声が出た。すごい。とめた。限りなく、ノリでとめた。どこにも、なんにも、指示を仰ぐとか、なかった
(本文「ぶっぱなせ!人徳パワープレイ!」より)

2024年にパラリンピック観戦を目的にパリを訪れた著者が出会った、

道路を即決で封鎖してくれる警察官、
片手で車いすを持ち上げる紳士、
黄色い看板のカフェで働く天才的な接客スタッフ...などなど

完璧じゃないのに誰もが優しい。
不便なのに誰もが笑顔。

そんなパリの空気感を、岸田奈美の視点で鮮やかに描いた心躍る旅行記が、ついに電子書籍に!
これまで「note」マガジン購読者限定で公開されていた人気記事を一冊にまとめました。

読むたびにクスッとほっこりとするパリでの体験を、ぜひ電子書籍でもお楽しみください!

2025/01/27 電子書籍刊行(コルク)

 

 
『酔っぱらい先生とわたし~人生を変えた英語教室~』
 

「この人が、あんたを合格させてくれるから」
母が突然、言った。
そこにいたのは母がアルバイトをしている整骨院の、院長であった。(本文より)

高校では現代文だけが平均点、それ以外は散々な成績。
留年ギリギリで補習を繰り返す日々を送っていた著者が、
「酔っぱらい先生」と出会い、予想外の勉強法に挑むことになる。

「人が本気で学ぶときはな、
誰かに本気で教えようとするときだけや!」

居酒屋、マンガ、雪山…
——常識破りの学習法が、著者の人生を大きく変えていく。

笑って、ちょっと泣いて、元気をもらえる一冊をあなたに。

待望の電子書籍化!

2024/11/29 電子書籍刊行(コルク)

 

 
『落とした指輪を出品されて 警察沙汰になった話』
 

「おっ!まったく同じのあるやん!
49000円かあ、新品で買うより一万円も安いなあ。
……。
…………。

わたしのじゃね?」
(本文より)


母娘で買い合った、とあるブランドの指輪を、買って早々に落とした著者。
ふとのぞいたフリマサイトで、同じような指輪をみつけたところから事件は始まった。
フリマサイトや指輪を買った店舗に相談したり、自分で買い戻そうと出品者とやりとりをしたり、はては警察による捜査…と次々と起こる出来事。
果たして事件は無事解決するのか?

「落とし物をフリマサイトで売られた場合」の対策例としてX上で反響を呼び、本作はブログサービス「note」でマガジン購読者限定コンテンツとして書き下ろしたものを完全書籍化しました。(全1巻)

2024/09/10 電子書籍刊行(コルク)

 

 
『漏水びしょびしょ日記』
 

「天井ですか?
ありません。
今、わたしの家、天井、ありません」
(第一話より)

それは年末も押し迫った師走のある日始まった。
ふと見上げると天井から滴る水。雨漏りを超えてもはや雨。
マンションの上階で一体何が?なんでこんなことに?
管理会社とともに原因解明にのりだしたものの、なかなかわからない漏水元。
そこから始まるさまざまな関係者たちによる考察、そして原因解明からいきつく最終結論は….?

突如始まった自宅の漏水に果敢に挑み・悩み、泣き・笑い、そして新たな住まいを見つけるまでの
安住の地を求めた記録。
臨場感のある実況エッセイに共感と応援の声が集まり、
ブログサービス「note」で60万以上のPV(*2024年5月時点・累計)を出したシリーズが初の電子書籍化です。

2024/06/06 電子書籍刊行(コルク)

 

 
『国道沿いで、だいじょうぶ100回』
 

なんだか「だいじょうぶ」な気持ちになる本

近くにいる人を見つめて抱きしめる日々こそが、
世界を慈しむことだって確信した。
奈美さんはそういうための力を持ちすぎている。
――河合優実さん

大丈夫な家族と大丈夫じゃない日々を、
笑いと涙と他者への想像力とともに軽やかな筆致でつづる自伝エッセイ。
令和のホームドラマとして話題の連続ドラマ
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』
(NHK地上波放送・2024年7月9日スタート予定)の原作者で
気鋭の著者・岸田奈美による人気エッセイシリーズ第3弾です!

今回は、弟・良太さんがカレンダー職人になってお金を稼いだり、
岸田奈美さんが空港で札束の詰まったリュックを見つけたり、
人生最悪の病院で注射を打たれたり…
岸田家に降り注ぐハプニングの数々から目が離せません。

SNSでも話題になったエッセイ「国道沿いで、だいじょうぶ100回」、
「魂をこめた料理と、命をけずる料理はちがう」など厳選エッセイ18本を再録。

【編集担当からのおすすめ情報】
本書は、岸田奈美さんエッセイシリーズの3作目になります。
1作目の『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』は、NHKで連続ドラマ化され、かつ採録された「ミャンマーで、オカンがぬすまれた」は、難関国立大学の入試問題として出題されました。
2作目の『傘のさし方がわからない』は、朝日新聞「天声人語」で紹介(2024年3月7日)されるなど、数々の話題をつくった伝説のシリーズです。
前作から2年半ぶりとなる3作目の本書は、この2年半にnoteに書かれた膨大な数のエッセイの中から、岸田奈美さんとともに選んだ傑作ぞろいです。書籍用に、岸田さんがさらに手を入れてブラッシュアップされています。
ぜひみなさんもご一読ください。

2024/05/29 単行本刊行(小学館)

 

 
『自動車教習おかわり列伝』
 

車を一台、譲ってもらうことになった。

ドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」で使われた、1992年製の貴重なボルボ240だ。
撮影用に貸し出したオーナーさんのご厚意で、こんな機会はめったにないから、ベソかきながら頂戴した。

納車は初秋。
屋根つき駐車場も、はりきって契約した。
錦戸亮さんのごとく、大切な人をしこたま積み込み、真っ赤なボルボを西へ東へ、颯爽と走らせる人生の幕開けだ!

さて。
問題は、運転免許がないことである。
(冒頭より)

*

思いがけないタイミングで車を譲ってもらうことになった作者が直面した「運転免許がない!」問題。
実は作者が運転免許取得にチャレンジするのはこれで3度目で...!?

1度目、2度目の予想もつかない挫折を経て、3度目に免許を取得するまでの教習所体験の「おかわり」の記録。
自動車教習所のあるあるをはじめ、そのゆくえを見守る家族や実習で出会う人々との笑いあり涙ありのエッセイに共感が集まり、
ブログサービス「note」で30万以上のPV(*2024年2月時点・累計)を出したシリーズが初の電子書籍化です(全3巻)。

2024/02/19 電子書籍刊行(コルク)

 

 
『飽きっぽいから、愛っぽい』
 

作家・岸田奈美の新たな代表作。
著名人からも絶賛&感動の声続々!

笑えて、泣けて、救われる。
新時代の書き手が綴る、心を揺さぶる傑作エッセイ。


「大好き」を言葉にし続けることが、
こんなに笑えて泣けるなんて。 ――藤崎彩織


笑いと悲しみは同じところにあって、希望と絶望も同じ場所から生まれる。
それを軽やかに教えてくれる、処方箋みたいな本だ。
しかもとびきり笑えるんですよ。 ――佐久間宣行


腰を下ろした、彼女の目線。優しさと逞しさ。そして、ユーモア。
今、世界に足りていないこれらに満ち溢れた、最高峰のエッセイ。
岸田奈美は、運命に愛されている。 ――リリー・フランキー


わたしがしなければならなかったのは、わたしを好きになることではなかった。
嫌いなわたしの中にしか起き得ない感情を、わたしの中にしか生まれない言葉で、書くことだった。
どんなにつらくても。難しくても。時間がかかっても。飽きても。褒められなくても。
ようやくたどり着けたここから先に、たぶん、愛がある。


本作は小説誌『小説現代』で連載をしていた「飽きっぽいから、愛っぽい」を書籍化に際して、加筆修正したものです。

2023/03/22 単行本刊行(講談社)

 

 
エッセイ集コルク
『特選 もうあかんわ日記 ~どたばた動物編~』
 

<第一弾 どたばた動物編>
もくじ
・マンガ 鳩との死闘
・マンガ 双翼の忘れ形見
・マンガ お耳たらしとったらええねん
・原作 鳩との死闘
・原作 双翼の忘れ形見
・原作 お耳たらしとったらええねん
・あとがきマンガ

作家・岸田奈美の原作を、同著のしおりやハガキなどの販促、noteのヘッダーも手がけたマンガ家・水縞アヤがマンガ化。
ふたりのコラボであの興奮がふたたびよみがえります。


<『もうあかんわ日記』について>
父は他界
弟はダウン症
母は車いすユーザー、からのコロナ禍に生死をさまよう大手術
間におじいちゃんの葬式が挟まって
ついには、おばあちゃんに異変が
ーー残された長女(作家)にすべてのタスクは託された

次々におそいかかる「もうあかんわ」なラインナップ

なのにどうして、こんなに面白い文章が出来上がってしまうのか
読んでる側はいったいなんで、こんなに救われてしまうのか!?

【人生は、一人で抱え込めば悲劇だが、人に語って笑わせれば喜劇だ】

3月10日から4月15日までの岸田奈美のnoteに書かれた、泣けて笑える祈りの日々
放った言葉を本人の手で見事に体現した、読後、拍手喝采のエッセイです。

 

映像化についてのお知らせ

 
マンガコルク
『傘のさし方がわからない』
 

笑えて、ときに泣けてしまう爆走エッセイ!

この本を読んで後悔する人はいない。
むしろ感謝に満ちると思う。岸田家にも自分にも、明日があることに。
――矢野顕子さん激賞!

異例の大反響!
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』から1年、
ゲラゲラ笑えて、ときにしんみり、なんだか救われてしまう
爆走エッセイ第2弾の登場です。

◎車いすユーザーの母のために、「全財産を使って外車を買った」。
(えらいことになる話より)

◎「24歳の弟は字が書けない(はずだった、怪文書を読むまでは)」のに、
岸田奈美さんの初単行本『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』の
ノンブル(ページ数)を書くまで。(おすそわけをもらう話より)

◎隣家がリビングで焼きいもをして火事になった「東京は火の用心、恋用心」
(東京でひとり暮らす話)

◎iDeCoの書類を書きながら、生きる希望について考えた「30年後、きみが
いない世界で」(これからのわたしに宛てる話より)

…など。

【編集担当からのおすすめ情報】
岸田奈美さんがこの1年間でブログサービス「note」に書き綴ったエッセイから、
もっと多くの方に届けたいエッセイを厳選して掲載したのが本書です。
ノンブル(ページ数)は前著『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』と同様に、
弟の良太さんが丁寧に丁寧に書いています。
岸田さんの文章は、思わず吹き出して笑ってしまったり、
涙が蛇口のごとくあふれたり、ジェットコースター並みに、感情が揺れ動きます。
そして、私は、読み終えたときに、見えていた景色が変わりました。
なにかに悩んでいるとき、苦しいとき、モヤモヤするとき、
きっと力になってくれる一冊だと思います!

2021/10/15 単行本刊行(小学館)

 

 
エッセイ集コルク
『もうあかんわ日記 』
 

もうあかんくなったら、読んでください

家族が終わりそうなので、

あなたに頼みたいことがあります。

母・ひろ実の大手術を機に、家族の日常が一変する。

タイムスリップした祖母は、冷蔵庫にある食材をひたすら醤油で煮込み、同じ味にした。

祖母の心ない言葉に、ダウン症の弟は床を踏み鳴らし、自室にこもる。

追い打ちをかけるように、壊れる家電、手続きの山、おしっこをまき散らす犬、鳩の襲来……

次々と降りかかる「もうあかんわ」に気力も体力も削られる長女・奈美。

「人生は、ひとりで抱え込めば悲劇だが、人に語って笑わせれば喜劇だ(本文より)」

を体現した37日間のサバイバル日記。

理不尽なこの日々を、笑い飛ばしてもらえたら、わたしはそれで救われる。

ただ、笑ってほしい。悲劇を、喜劇にする、一発逆転のチャンスがほしい。

もうあかんわと思っている、すべての人に。

わたしのもうあかん毎日を、小さく高らかに捧げたい。

もうあかんわ。

ーー本文より

解説は頭木弘樹さん。

2021/05/31 単行本刊行(ライツ社)

2025/02/06 文庫版刊行(小学館)

 

 
『家族だから愛したんじゃなくて、 愛したのが家族だった』
 

笑えて泣ける岸田家の日々のこと

大反響を呼んだ単行本

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』が、

ついに文庫化しました!

かきたし原稿「表紙の絵の味」と、

作家・一穂ミチさんの解説でパワーアップ!

真夏の甲子園でホットコーヒーの売り子をしたり、

試着に1時間かかるブラジャーを買ったりと、

なぜか日々おもしろいことが起きてしまう作家・岸田奈美がつづる、

情報過多の日々のこと。

大丈夫な家族と、大丈夫じゃない日々を、

疾走感あふれるリズミカルな文章で、

軽やかにユーモラスにとびこえる。

“弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった”

“母に「死んでもいいよ」といった日”

など傑作エッセイを多数収録。

【編集担当からのおすすめ情報】

岸田奈美さんの初の単行本が2年半ぶりに文庫化します。

この2年半の間に、岸田家にはいろんなことがあったと思います。

そんな岸田さんの2年半の思いは、

「文庫あとがき(おかわり)」でたっぷり語られています。

また、かきたし原稿「表紙の絵の味」では、

岸田さんが手がけた表紙のイラストについて、

装丁家・祖父江慎さんとのやりとりの裏話が。

そして、必見なのは作家・一穂ミチさんの「解説」です。

解説では、私、思わず涙がこぼれました。

ひと味ちがう岸田奈美ワールドをぜひご一読ください。

2020/09/23 単行本刊行(小学館)

2023/04/06 文庫版刊行(小学館)

 

 
エッセイ集コルク