『もうあかんわ日記 』

 

もうあかんくなったら、読んでください

家族が終わりそうなので、

あなたに頼みたいことがあります。

母・ひろ実の大手術を機に、家族の日常が一変する。

タイムスリップした祖母は、冷蔵庫にある食材をひたすら醤油で煮込み、同じ味にした。

祖母の心ない言葉に、ダウン症の弟は床を踏み鳴らし、自室にこもる。

追い打ちをかけるように、壊れる家電、手続きの山、おしっこをまき散らす犬、鳩の襲来……

次々と降りかかる「もうあかんわ」に気力も体力も削られる長女・奈美。

「人生は、ひとりで抱え込めば悲劇だが、人に語って笑わせれば喜劇だ(本文より)」

を体現した37日間のサバイバル日記。

理不尽なこの日々を、笑い飛ばしてもらえたら、わたしはそれで救われる。

ただ、笑ってほしい。悲劇を、喜劇にする、一発逆転のチャンスがほしい。

もうあかんわと思っている、すべての人に。

わたしのもうあかん毎日を、小さく高らかに捧げたい。

もうあかんわ。

ーー本文より

解説は頭木弘樹さん。

2021/05/31 単行本刊行(ライツ社)

2025/02/06 文庫版刊行(小学館)