第3話 前澤さんやZOZOの人にインタビューしよう
前澤さんの思いを100%理解して、小説「前澤友作物語(仮)」を書く自信がなかった私。
なぜならば。
前澤さんが言っていることは、シンプルでストレートで、私の貧弱なスプーンのごときインタビュー力では、深く堀れそうにないからだ。
テレビで言う「撮れ高」ならぬ「聞き高」を保障できる気がしない。
そして、前澤さんに納得してもらえる気もしない。
そんな私に、一つのアイデアが舞い降りた!!!
「前澤友作物語の主人公を、前澤さんにするのではなくて、群像劇にするのはどうでしょうか!?」
「群像劇ってなに?」
普段、あまり小説を読まない(らしい)前澤さんが言った。
「群像劇っていうのは、主人公と脇役の話じゃなくて、登場人物一人ひとりが主人公になるやつです!そんで、集団がドラマを巻き起こすという」
私はこの群像劇というのがとにかく好きだ。
大好きだ。
伊坂幸太郎さんの「陽気なギャング」シリーズ。
三谷幸喜さんの「THE 有頂天ホテル」。
ファイナルファンタジー6。
何周も何周もした作品は、ぜんぶ群像劇だ。
なんで好きかは、わからんけど。
とにかく好きだ。
「前澤さんの目線だけじゃなくて、ZOZOの役員さんや社員さんとか、いろんな人の目線で書きたいです!」
そんなに取材できる時間あるのかなあ。
ちょっと不安になった。
でも、それなら書けるかもと思った。
たぶん前澤さんの周りには、色んな性格の人がいる。
前澤さんに共感する人もいれば、これはついていけねえ!って人も、いると思う。
私はどっちかって言うと、ついていけねえ!って思うことがある方だ。
そういう人たちが、前澤さんとの歩みをどう思っていたのか。
それを聞けたら良いかなって。
前澤さんも知らない、前澤さんの話だ。
「それ、いいじゃない!楽しそう!」
前澤さんより早く、Tさんが言った。
「私も取材受けるの楽しみ!友作くんのエピソード、ネタ帳が一冊できるくらいあるから。話したい!(笑)」
ネタ帳が……一冊……!?
そのあと、前澤さんもいいよと言ってくれた。
ということで、私はこれから、
前澤さんと、前澤さんを取り巻く人たちに、
小説の取材をさせてもらうことになった。
「とりあえず書いてみて、発表する方法は後で考えましょう」
とのことなので、やっぱりお蔵入りになるかもしれないけど、
皆さん、奇跡を信じて、楽しみにしていてください。
そして、盛大に時間が余った。
マジか。
ということで、色々、しょうもない私の質問に付き合ってもらった。
私がまだ前澤さんのことをよくわかってなさすぎて、
質問のクオリティが、全体的に、低いけど。
前澤さんってスーパーカー乗るの?
「前澤さんがスーパーカー買うYoutube観ました。あの車っていつ乗るんですか?」
「乗らない(笑)」
「え!」
「並べて、観て、楽しむだけ」
「トミカかな……?」
前澤さんの嫌いな食べ物は?
「ご飯の好き嫌いってありますか?」
「すっげえある」
「食べられない食材のリストがあって、それをレストランに渡したりね〜」
Tさんが笑った。
「あ、リストにナス追加しといて!ナス!」
「増えてしまった(笑)」
お年玉企画2019(去年)の当選ってどうやって決めてたの?
「2019年の正月のお年玉企画って、当選者は前澤さんが選んでたんですか?」
「もちろん」
「応募者300万人もいたのに!?」
「良い使い方をしてくれそうな人、っていう条件で、絞るのを手伝ってもらったけど、数千人の中から選んだのは俺だよ」
「どうやって選んだんですか?」
「Twitterのプロフィール見たり、ツイート見たりした」
「そんなん、いちいち読む時間あります!?」
「俺、集中が深くて長いんだよね。全然途切れない。集中力が切れることがない」
「超没入(スーパーダイブ)じゃないですか……最強じゃないですか……」
お会いした後、Tさんから、目を疑うLINEが届いた。
来週、前澤さんがプライベートジェットで外国へ行くので、Tさんと一緒に取材で同行しないかというお誘いだった。
あの……噂に聞いた……プライベート……ジェット……!?
私の頭に「粗相」の二文字が浮かんだ。
あかん。
想像がつかなさすぎて、あかん。
どうしても外せない仕事が入ってて、同行は、泣く泣くキャンセルになった。
それからすぐ、プライベートジェットが売りに出された。(なんでやねん)
「マジ!?何がなんでも乗せてもらったら良かった!」と、
泣きそうになりながら前澤さんのYoutubeを観た。
「このジェット売って、新しいジェット買います」とのことだった。
なんでやねん。
あと、さっきAbemaTVのWEBサイトを見たら「お見合い企画に知人を推薦してくれた人は、プライベートジェットでの夕食にご招待」とのことだった。
プライベートジェット、めちゃくちゃ汎用性高いな……。
来週もお会いします。