【キナリ★マガジン更新】部屋へ引きずりこむために(令和ロマンくるま×岸田奈美⑥)

 

人の話を聞けないわたしが対談企画をはじめたら、王者・令和ロマンくるまさんが超高速で分析してくれた記録。いよいよ最終回です。

第1回 人の話を聞けないわたしが対談はじめたら、王者が超高速で分析してくれた
第2回 会話に中身を信じすぎだし、頭の中では文章が流れている
第3回 エピソードトークを狙うやつは、白目と黒目が逆転している 
第4回 苦手の輪郭がわかってよかったじゃないですか
第5回 これからどうしていけばいいのかを診察してもらう

●イベント終了後の反省会podcast(ゲスト:くるま、糸井重里)は『岸田奈美のおばんそわ』で無料配信中です。noteとあわせて視聴すると、より一層、楽しんでいただけるかと思います!

くるまさんが『これから岸田奈美の対談はどうしていけばいいのか』の相談に乗ってくれることになった。

目次

  1. 岸田奈美の部屋に引きずり込め

  2. 文筆家でござあい!の着物で登場しよう

  3. 対談のおわりに




岸田奈美の部屋に引きずり込め


くるまさんは“岸田奈美のえんがわ”で話しているわたしのことを「まるで留学生」と説明してくれた。

書くのが得意なわたしは、第一言語が文章で、しゃべりは第二言語だからということだった。

今は第二言語を必死で操っている上に、会場もわたしが普段活動しているインターネットではなく、リアル現場である。

「この時点でもう、岸田さんの日常から座標が二個ずれてるわけです」

「本当だ……」

「言語も場所も違うのは、留学先ではっちゃけてしゃべってるのと同じなんで。表現をミスろうが、沈黙しようが、現地の人はそんなことじゃ怒らないんですよ。気にしなくていいですよ」

くるまさんは、会場に集まってるお客さんたちに向けて「ねえ!?ホストファミリーの皆さん!」と呼びかけた。ホストファミリーは各自うなずいてくれた。

「岸田さんはもっと自信満々に、ちょっと強引に話の流れをぶった切ってでも『これは絶対に聞きたいんだけど!』って聞くぐらいでいいんですよ」

「黒柳徹子さんもそんな感じですね」

「そう!『徹子の部屋』のセット、あれ、ほんとにやばいんですよ。わけわかんないぐらいバカでっかいスタジオの片隅にあの部屋がズンッ……って存在して、スタッフも観覧客もむちゃくちゃ遠いところにいる、あの異質さ」

「居心地よさそうな部屋に見えてましたが」

「いいわけがない!あのソファに座った瞬間、やばいところに来てしまった……ってゲストは思うから。岸田さんもね、もっと岸田奈美の世界に相手を引きずり込んで、圧をかけたほうがいい」

「対談のゲストに圧を!?」

「岸田奈美の領域を展開してゲストを引きずり込み、一撃必中の技を当てないと!対談は領域展開ですよ!」

「傷つけちゃいませんか?」

「ゲストの守備力が弱いと傷つくかもしれませんが、そんなディフェンスができない人は呼ばなきゃいいんです」

「ええ……!?」

「緊張しちゃって失敗するなら、絶対に緊張しない場所を作らないと」

「何から作ったらいいんでしょう?」


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