【4月の岸田奈美】自転車に乗れたみたいに、書けるようになりたいさ

 

こんにちは、今年も絶賛、春の風邪っぴきの岸田奈美です。こう横になってばかりじゃ、寝言も戯言も、はかどるってもんよ。前向きです。

新しくやってみたことがあります。

目次

  1. 0.小説を書いて、公開しはじめました

  2. 1.キナリ★マガジンは月初の購読がおすすめ

  3. 2.新刊記念サイン会(名古屋|4月11日)

  4. 3.文化人類学者・奥野 克巳さん&アナウンサー・吉田尚記さんと対談イベント(東京&オンライン|4月19日)

  5. 3.5 オンライン対談やるよ(オンライン|4月12日)

  6. 4.初脚本作品「春山家サミット」Kindle発売

  7. 5.podcast「岸田奈美のおばんそわ」配信中

  8. 6.無料公開した今月の5記事

0.小説を書いて、公開しはじめました

いまも書いてます。どんどん書いてます。たくさん書きます。

なんのために書いてるかというと、それは、小説を書けるようになりたいからです。なにを言ってるんだ。でも、なんべん考えても、いまはそう答えられるのが、最高に嬉しい。

わたしにとっての小説は、わたしの中に生まれた感動を、なるべく同じ味で、みなさんの中へ配達するための手段です。

わたしが一番得意な手段はエッセイでした。でもエッセイは刺身みたいなもんです。今まさに起こったことや、目に浮かぶことを、ハイ新鮮なうちに塩と醤油でドウゾ!食え!ってやってました。

カジキマグロがダーツみたいに飛んでくる人生なので、これからもわたしは、刺身を出し続けることでしょう。

ところが、暮らしてるうちに、刺身では出せないものも増えました。ジャガイモとかタケノコとかが漂流してくるわけです。おいしいので、どうしても一緒に食べてもらいたいのですが、刺身では無理です。煮るなり焼くなり二宮和也しなければいけません。

話をちょっと、変えます。

7歳のとき、父にパソコンをもらった時から、わたしの衝動は変わっていません。

「わたしはこれをおもしろいと思う!あなたもこれをおもしろいと思う?」

ずっとこれです。インターネットの海で、つながりたくて、手紙入りのボトルを振りかぶって投げ続けています。おもしろいが、悲しいとか優しいとかに変わることはありますが、それもぜんぶ含めて、結局はおもしろい。

これをやれている時は、どんな孤独を味わうことになったとて、だいじょうぶだと思えるので。

でも、おもしろさって、どんだけ言葉で正しく、詳しく解説したとて、同じおもしろさにはならないじゃないですか。それは、おもしろさの理由がわかるわけで、おもしろい気持ちにはなれない。

おもしろい気持ちは、驚きとか愛おしさとか、おもしろいになる前の小さな感情を、階段みたく、ゆっくり積み重ねていった結果にできるものです。

と、いうわけで、小説を書くことにしました。

でも、まだ、ぜんぜん下手くそです。なにが下手くそかというと、わたしの中には確かなおもしろさがあるのに(誰かを見たり、何かに気づいたりして得たもの)、書いたらおもしろさがほとんど残らない。

キャラだったり、セリフだったり、シーンだったり、書けるものは無限にあります。小説は無限の未来から、意志を持って、現在を選びとっていく作業なんだと思います。

わたしがこの世界のとある一瞬に抱いた“感想”と、それを書いた小説を読んだみなさんの“感想”が、バシッと一致したら、どんなに嬉しいことだろう。ワクワクしています。

子どもの時に、ひとりで初めて、自転車に乗れた日のことを思い出します。あの「できた!」という爆裂的な気持ちを、人生で、何度も、何度も、味わえたらいいのにと願います。

長々と書いてしまいましたが、これからも小説を書いていきます。どんな感想もすごく嬉しいです。意図していなかった言葉が並んでいても、そんな気持ちを自然に引き起こせるような文章をわたしは書けたんだ、と思わぬ自信になります。自転車に乗ります。

おもしろさの旅路を、見守っていただけましたら、ありがとうです。

(ちなみに出版予定があるとか、そういう立派な決まりごとは一切ないです。好きで勝手にやってるだけなので、なにを書くかも常に自由です。みなさんの感想や体験談にも、感動して発想させてもらっています)



1.キナリ★マガジンは月初の購読がおすすめ

生きるための恥さらしエッセイ『キナリ★マガジン』の購読するなら、月の初めがおすすめ!400本以上が岸田奈美からの直売で、読み放題!

家計と創作活動、そして弟のグループホームの送迎費など、ダイレクトに支えられております!いつも本当に、ありがとうございます!




2.新刊記念サイン会(名古屋|4月11日)

名古屋松坂屋オルガン広場で、先着150名さまのサイン会があります。

3.文化人類学者・奥野 克巳さん&アナウンサー・吉田尚記さんと対談イベント(東京&オンライン|4月19日)

おふたりの新刊『何も持ってないのに、なんで幸せなんですか?──人類学が教えてくれる自由でラクな生き方』の発売記念イベントに呼んでもらいました。

これっ……めっちゃ楽しみでっ……まさか奥野さんとお話できるなんて。吉田さんはいつもわたしが「この人といま話せたらなあ」と指くわえているところを見てんのかと思うほど、人選がエクセレントなのよ。

3.5 オンライン対談やるよ(オンライン|4月12日)


大学時代の旧友とオンラインで対談イベントやるんですが、まだ告知開始してません。

4月12日18時から無料でYouTube配信するみたいなので、近くなったらXをチェックしていただけたらと思います!

4.初脚本作品「春山家サミット」Kindle発売

ラジオドラマのNHK FMシアターで脚本を書かせてもらった「春山家サミット」が、Kindleで読めるようになりました。

ただ、これ、脚本なので、セリフとト書きしかございません。

こういう感じなので、慣れてないとどうやって読むねん的な不親切さで申し訳ないですが、それでも読みてえんだという猛者向けです。

5.podcast「岸田奈美のおばんそわ」配信中

みんなのお便りを読み上げながら、ひとりで笑ったり泣いたり、忙しくやらせてもうてます!いまから聴いていただくと最古参確定!

『岸田奈美のおばんそわ』
生放送Ver.
隔週月曜21:00〜 Xスペースにて配信(次回12/6)
Podcast Ver. 毎週金曜 Spotifyにて配信(次回12/6)

お便りの送付先
obansowa@gmail.com
件名にコーナー名と、本文にラジオネーム必須
できれば住んでる場所、年齢、職業なども
募集中のテーマは公式Xでお知らせ中

6.無料公開した今月の5記事

原稿をおすそわけで、2021年4月に公開されたキナリ★マガジン(有料)限定記事を、だれでも読めるようにしました。

 
コルク