【キナリ★マガジン更新】輝く一等星、草太くんと良太くんの巻(ドラマ見学2日目)
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』ドラマ現場の見学レポート、前回の話は↓
ダウン症の人が、連続ドラマでメインキャストを演じるなんて、日本で初めてのことだ。もしかしたら世界でも。
世界中から絶賛された映画『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』を観たとき、ザック・ゴッサーゲンみたいな名優が日本にもいたらいいのに、とわたしは強く強く願っていた。
まさかそれが、わたしの原作で叶うなんて。
日本に障害のある役者さんはいるけど、障害のある人が登場する作品はとても少ない。芝居で生計を立てることも、経験を積むことも、実際はなかなか難しい。
わたしの弟・良太の役をダウン症の人が演じましょうというのは、かなり早い段階で、そして、自然に、そう決まった。
まもなく、たぶん前代未聞のオーディションが開かれた。
何年も前から親しくさせてもらっている、日本ダウン症協会の水戸川さんが全面協力してくれた。出会ったときは、こんなことになるなんて思ってもなかったな。
そして吉田葵くんが、岸本草太役に選ばれた。
ドラマ出演は初めて。
だ、大抜擢!
撮影現場へ行くと、ちょうど葵くんの出番だった。
小さな声で「(壁を)ぶっつぶす!」とふりあげた拳を、そのまま大皿のからあげに伸ばし、パクッと食べて「おいし〜〜〜!」とほっぺが落ちる仕草をするところだ。
そのあと、父・耕助役の錦戸亮さんと手をあわせ、華麗なステップでダンスをする。
情報量が多い。
葵くんの伸び伸びした演技にホオォ〜〜となっていると、
「カット!」
演出・大九さんの声が響く。いいところで、カメラが止まってしまった。
えっ、えっ、どうして。ええ感じやったのに。
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