いなくならない父のこと 第四回 ぬくもりのある、彼の部屋。

 
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会社員を辞めて、作家になるとき、家探しに苦労した。

それまでわたしが住んでいたのは、会社の寮だった。
せっかくだから底抜けにかっちょいい家を
自分で見つけてやろう!と浮足だっていたのだが、
浮いた足はアッという間に地に落ちた。

保証人である家族に障害があり、
大学の奨学金も返しているわたしには、
びっくりするくらい信用がなく、
びっくりするくらい入居審査に通らなかった。

「真面目にコツコツ働きますから、どうか信じてくださいよ」

電話口で年貢に苦しむ
農民のような悲壮感をかもし出してみたが、
不動産屋さんからは乾いた笑いが返ってくるのみだった。

どうしても住みたい家を見つけ、
どうにかこうにか不動産屋さんや大家さんを説得し、
所属している事務所が間に入ってくれて
ようやく契約できたのは、社宅を追い出される
わずか二週間前だった。

続きは、ほぼ日刊イトイ新聞で読めます。
https://www.1101.com/n/s/kishidanami/2020-11-20.html



第1回
https://www.1101.com/n/s/kishidanami/2020-03-04.html

第2回
https://www.1101.com/n/s/kishidanami/2020-03-31.html

第3回

https://www.1101.com/n/s/kishidanami/2020-05-12.html

 
コルク